『カズオブログ』管理人のカズオです。今回はホームランド シーズン1 第9話「クロスファイア(原題:Crossfire)」のネタバレ解説をやっていきます。
この回、私は最初に見たときかなりズシッときました。ブロディが「なぜ変わったのか」——その答えがついにはっきり描かれる回なんですよね。見終えたあと、しばらく画面の前でぼーっとしてしまいました。
このエピソードはどんな話?
シーズン1第9話「クロスファイア」は、2011年11月27日にShowtimeで初放送されました。脚本はAlexander Cary、監督はJeffrey Nachmanoffが担当しています。
このエピソードは大きく2つの軸で動きます。ひとつはブロディの過去——イラクでアブ・ナジルのもとに囚われていた頃のフラッシュバック。もうひとつはキャリーが追うトム・ウォーカーの行方と、モスク事件の後始末です。
前話(第8話「アキレス腱」)でブロディとアブ・ナジルのつながりがほぼ確定した直後の回。その「なぜ?」という疑問に、このエピソードが正面から答えてくれます。
物語の流れをざっくり整理
冒頭、ブロディはスーパーの駐車場で突然何者かに拉致されます。目が覚めると、部屋のテレビ画面からアブ・ナジルが話しかけてくる——という衝撃的な始まりです。
ここから物語は3年前のイラクへとフラッシュバックします。囚われのブロディはナジルの家で自由に過ごすことを許され、ナジルの息子イッサと深く交流していきます。英語を教え、一緒に笑い、本物の父子のような絆を育てていった——そんな日々が丁寧に描かれます。
そして、悲劇が起きます。イッサが通う学校がアメリカの無人機攻撃によって破壊され、82人の子どもたちとともにイッサも命を落とします。ブロディが瓦礫の中でイッサの亡骸を抱きしめる場面は、このシリーズ屈指の名シーンといっていいと思います。
ブロディが変わった瞬間——イッサとの記憶
このエピソードで明かされるのは、ブロディの「転換点」です。それは単純な洗脳ではなく、愛した少年を失った深い悲しみと怒りから生まれたものでした。
さらに追い打ちをかけるのが、副大統領ウォルデン(ジェイミー・シェリダン)の記者会見。彼はミサイル攻撃でナジルの施設を狙ったことは認めつつも、「死んだ子どもたちの映像はテロリストによるでっち上げだ」と堂々と嘘をつきます。
自分の目で見たイッサの死を「存在しない出来事」として否定された瞬間——ブロディが完全に「別の側」へと引き込まれたのは、ここだったんですよね。皆さんもこのシーン、ゾクッとしませんでしたか。
- イッサとは
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アブ・ナジルの息子。ブロディに英語を習い、父子同然の絆を育てた少年
- ドローン攻撃と副大統領
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ウォルデン副大統領がイッサを含む子どもたちの死を公式に否定した
- ナジルからの指令
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ブロディに「副大統領に近づき、議会選挙に出馬せよ」と命じた
イッサとのフラッシュバックが終わると、物語は現在へ戻ります。ナジルはビデオ通話でブロディに告げます。「副大統領はやがて大統領を目指す。お前はその側近になれ」と。
キャリーの動き——モスク事件とウォーカーの影
一方、キャリーはトム・ウォーカーの行方を追っています。FBIが起こしたモスクでの誤射事件(無実のムスリム2人が射殺された)の余波で、モスクのイマーム(導師)は捜査への協力を拒否。キャリーはイマームに直接交渉しますが、うまくいきません。
ところがイマームの妻が密かにキャリーに連絡を取り、重要な情報を提供します。「ウォーカーはモスクに何度か来ていた。サウジアラビアのナンバープレートを持つ外交官と会っていた」——これで捜査に突破口が生まれます。
カズオキャリーって、こういう「人の本音を引き出す」天才なんですよね
またキャリーは、FBIエージェントのホール(モスク誤射を指揮した側)との会話を密かに録音し、それをブラックメールとして活用しようとしますが、エステスに止められます。彼女の方法が正しいかどうかは別として、目的のためなら組織の壁も超えようとするキャリーの執念がよく出たシーンでした。
見終わったあとに気になるポイント
このエピソードを見終えたあと、頭の中でいくつかの疑問がグルグルしませんでしたか。慎重派の私も、いくつか見返したくなった場面がありました。
ブロディはまだ「止まれる」のか?
第8話でブロディはナジルとの関係を否定する素振りを見せていました。でもこの第9話で、ナジルとのビデオ通話に応じ、イッサの記憶を呼び覚まされてしまいます。「引き返すチャンス」は確実に遠のいた——そう感じた方も多いんじゃないでしょうか。
ナジルの「計画」の全貌はどこまで見えてる?
ナジルがブロディに命じたのは「副大統領の側近になり、議会選挙に出ること」です。つまり、テロはもっと長期的・政治的な作戦の一部だった可能性があります。単純な爆弾テロではなく、内側からアメリカを揺さぶる——そんな構図が見えてきます。
トム・ウォーカーの動きもまだ謎のまま。サウジの外交官と接触していた事実と、ブロディの「政治的工作」がどうつながるのか。ここはシーズン後半への大きな伏線になっています。
もう一度見返したい伏線
このエピソードには、後々「そういうことか!」とつながる仕掛けがいくつかあります。
- ブロディが第1話でじっと眺めていた「国会議事堂」の意味
- ナジルが「ウォーカーのことは伏せていた」と謝罪する場面
- 副大統領ウォルデンの名前が今後どれだけ重要になるか
- キャリーがソールのオフィスで薬を飲む場面の意味
- イマームの妻が「秘密の接触」をとったことの勇気と意味
特に「副大統領ウォルデン」という名前は、第9話以降のシーズン1後半でどんどん存在感が増していきます。この回で初めて彼の「顔」がはっきり映し出されるのも、意図的な演出だと思います。
次回はどうなる?私の予想
第9話を見終えると、いくつかの「火種」が残ります。ブロディは副大統領の側近ルートへ進むのか。キャリーのウォーカー追跡はサウジ外交官の線からどこへ向かうのか。そしてソールは、キャリーの暴走にどこまで付き合うのか。
個人的には、ブロディが「完全に戻れない一線」を越える瞬間が近いと感じています。ナジルの指令を受け入れたことで、彼はもう「ただ帰還した元兵士」ではいられない。第10話以降、その変化が家族やキャリーとの関係にどう影響するか——そこが一番気になるところです。
キャリー側では、サウジ外交官の外交ナンバープレートという新しい糸口が動き出しそうです。ウォーカーとナジルのネットワークがどこまで広がっているか、国際的な諜報戦の色がさらに濃くなりそうな予感があります。残り3話、一気に畳みかけてくる展開になるはず——見るなら絶対に続きを止めないでほしいエピソードです。







