『カズオブログ』管理人のカズオです。2026年4月27日、日産自動車が2026年3月期の業績予想を上方修正したというニュースが話題になっています。
「営業黒字に転換」と聞くと、一見いいニュースに思えます。でも同時に「純損失は5500億円」とも書いてある。これ、どっちが本当なの?と思った方も多いのではないでしょうか。
慎重派の私としては、こういうときこそ言葉の意味をしっかり確認してから判断したいところ。今回は、ニュースを読んで「よく分からなかった」という方向けに、ポイントを整理してみます。
「営業黒字」と「純損失」は別の話
まず「黒字なのに損失ってどういうこと?」というモヤモヤを解消しましょう。実は、営業損益と純損益は別の指標です。
営業損益は、本業の事業活動で稼いだ利益や損失を示すものです。一方、純損益は、工場閉鎖にかかる費用、金融損益、特別損失など「本業以外の要素」もすべて含んだ最終的な数字です。
- 営業損益(今回:500億円の黒字)
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本業の自動車事業でどれだけ稼いだかを示す指標
- 純損益(今回:5500億円の損失)
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リストラ費用や特別損失なども含めた最終的な損益
つまり「本業の立て直しは少し進んでいるが、リストラや構造改革にかかるコストが重くのしかかっている」というのが今の日産の状態です。矛盾しているわけではなく、両方の数字を合わせて見ることが大切です。
黒字転換の理由は3つ
今回の営業黒字転換には、主に3つの要因があります。それぞれ少し解説します。
- 米国の温室効果ガス規制撤廃による引当金の取り崩し
- コスト削減の進展(人員整理・工場統廃合など)
- 円安による輸出収益の押し上げ
このうち「引当金の取り崩し」は少し分かりにくいので、もう少し説明します。
「引当金の取り崩し」ってどういう意味?
引当金とは、将来発生しそうな費用をあらかじめ計上しておく「予備費のようなもの」です。
日産はアメリカの排ガス規制に対応するため、多額の費用がかかる可能性を見越して引当金を積んでいました。ところが、米国の規制が撤廃されたことで「もうこの費用は必要なさそうだ」と判断し、積んでいたお金を戻した(取り崩した)わけです。
これは実際にキャッシュが入ってきたわけではありませんが、会計上は利益として計上されます。そのため、営業損益の改善に大きく貢献した形です。
円安が「寄与」するってどういう仕組み?
日産は自動車を海外(特にアメリカ)で多く販売しています。海外でドルなどの外貨で受け取った収益を円に換算するとき、円安だと「円換算後の金額が増える」ため、業績が改善して見えます。
カズオ円安で「見かけ上の利益」が増える仕組みは、輸出企業あるあるですね
裏を返せば、今後円高に進んだ場合には、その分が業績の逆風になるリスクもあります。ニュース本文だけで先行きを判断せず、為替動向も意識しておきたいところです。
日産車オーナーや購入検討者への影響は?
「日産が赤字続きで大丈夫なの?」「買おうと思っていたけど不安…」という方もいると思います。現時点で確認できることをまとめます。
まず、現状のサービス・アフターサポートについては、公式発表で変更や縮小のアナウンスは確認されていません。ただし、工場の統廃合や車種の見直しは今後も続く可能性があるため、購入を検討している車種の生産継続状況は、日産の公式サイトや販売店で確認しておくのが安心です。
また、日産はホンダとの統合協議が破談になった後、独自の経営再建を進めています。自動車事業のフリーキャッシュフロー(現金の収支)が下半期に黒字化する見込みであることや、ネットキャッシュが1兆円超を確保できる見通しであることは、短期的な資金繰りの面では一定の安心材料といえます。
今後の経営再建はどこで確認する?
日産の経営情報や決算発表は、公式の投資家向け情報ページ(IR情報)で確認できます。一般の方でも読みやすい「決算説明資料」が公開されることが多いため、関心がある方は以下を参考にしてください。
- 日産自動車 公式サイト「投資家情報(IR)」ページ
- 決算短信・決算説明資料(PDFで公開)
- 今後の中期経営計画の発表(随時更新)
検索するときは「日産自動車 IR情報」と入れると公式ページがすぐ見つかります。
数字の意味を確認してから判断しよう
今回の日産のニュースは、「黒字転換」という言葉が一人歩きしやすい内容でした。でも実際は、引当金取り崩しという一時的な要因が大きく、本業の根本的な回復にはまだ時間がかかりそうです。
私が今回感じたのは、「1つの数字だけで判断するのは危ない」ということです。営業損益・純損益・フリーキャッシュフローと、それぞれ別の角度から経営状態を見る必要があります。
日産の株主の方、オーナーの方、購入を検討中の方は、ぜひ公式のIR情報を一度確認してみてください。難しそうに見えますが、決算説明資料は図やグラフが多く、意外と読みやすいですよ。焦って判断するより、情報を確認してから動くほうがスッキリします◎






